
スタートアップ企業に最適な、限られたスペースを有効活用するオフィスレイアウトの提案。快適さと機能性を両立する工夫をご紹介します。
- 施工内容
- オフィス・店舗リフォーム
- 施工エリア
- 栃木県足利市
- 施工場所
- オフィス・店舗内装
- 工期
- 7日
狭さを逆手に取った機能的なオフィス設計

少人数だからこそ活きる「密な配置」
スタートアップ企業の多くは、社員数がまだ数名〜十数名程度というケースが一般的です。そのため、広大なスペースを必要とせず、むしろ「お互いの距離が近い」ことが強みにもなります。
例えば、デスクとデスクの間隔を詰めすぎない範囲でコンパクトに配置し、中央に情報共有の場となるテーブルやホワイトボードを設ければ、意見交換が活発になるオフィスが実現できます。意思決定のスピードが求められる起業初期において、この「密なレイアウト」は、組織力を高める大きな要素です。
「上下空間」の活用で収納と開放感を両立
床面積に余裕がない場合でも、収納力を確保する方法はあります。キーワードは「上下の空間の有効活用」。
壁面に沿って可動棚を設けたり、天井付近に吊戸棚やオープンラックを配置すれば、デッドスペースを減らし、資料や備品を整理整頓できます。さらに足元がすっきりすることで、空間全体に広がりが生まれ、来客にも好印象を与えます。
また、上下収納を取り入れる際は、見た目がごちゃつかないよう、扉付きや色調を統一したデザインを選ぶことで、オフィスの洗練度もアップします。
間仕切りで空間を分けて「集中」と「交流」を両立
限られたスペースでも、用途ごとに空間を分ける工夫は重要です。例えば、作業に集中するエリアと、気軽に打ち合わせができるスペースを、間仕切りや可動式パネルでゆるやかに区切ることで、心理的な切り替えが生まれます。
スタートアップは頻繁に組織や業務体制が変化するため、固定の壁ではなく「可変性のある間仕切り」が理想的。吸音効果のある素材を選べば、通話や会話の音も軽減でき、快適な職場環境が整います。
加えて、間仕切りのデザインに木目やモノトーンカラーを取り入れると、視覚的にも圧迫感がなく、デザイン性の高いオフィスになります。
働きやすさを高める快適な内装と設備環境

集中力を引き出す壁紙や照明の工夫
オフィスの第一印象は、壁や照明の雰囲気によって大きく左右されます。特に少人数で構成されたスタートアップの空間では、シンプルかつ統一感のある壁紙が、集中力と落ち着きを生み出す鍵となります。
壁紙は、白系やグレー系などの落ち着いた色味をベースに、アクセントウォールとして木目調やネイビー系を取り入れると、メリハリのある洗練された印象に。照明も蛍光灯だけでなく、温かみのあるLEDや間接照明を取り入れることで、柔らかな空間を演出できます。
照明と壁紙のバランスによって、オフィス全体の雰囲気が「働きやすさ」につながるため、内装選びは非常に重要です。
配線やOA機器周りを美しく整える
デスク下や壁際に張り巡らされた配線は、見た目にも煩雑で、足元を引っかけるなどの事故の原因にもなります。配線は「隠す」ことが快適なオフィスづくりの基本です。
床下に配線スペースを確保できるOAフロアや、配線モールを壁沿いに施工することで、見た目をすっきりさせつつ、安全性も向上します。また、電源やLANポートの位置を作業エリアに応じて調整することで、機器の配置も柔軟になり、業務効率がアップします。
配線整理は「後回し」にされがちですが、快適な執務空間をつくるためには、最初から計画に組み込むことが重要です。
空調と換気のバランスで快適性をキープ
コンパクトなオフィス空間では、空調の影響が強く出やすいため、空気の流れや温度ムラが起こらないよう配慮することが大切です。特に夏場や冬場には、一部のエリアだけが寒すぎたり暑すぎたりすることがあります。
そのためには、性能の高いエアコンと、サーキュレーターや空気清浄機を組み合わせて使用するのがおすすめです。さらに、室内に空気の循環経路を設けることで、換気もしやすくなり、ウイルス対策や湿気対策にもつながります。
「空気の質」は目に見えにくいものですが、スタッフの集中力や健康面に大きな影響を与えるため、積極的に見直したいポイントです。
企業の成長を見据えた柔軟なレイアウト戦略

可動式パーテーションで空間を自在に切り替え
スタートアップ企業にとって、オフィスレイアウトは「今」だけでなく「これから」の働き方にも対応できる柔軟性が求められます。その点で、可動式のパーテーションや間仕切りは非常に有効です。
たとえば、普段は開放感のあるワンルーム空間として使いながら、来客時や打ち合わせ時には個室として使えるミーティングスペースに早変わり。キャスター付きの移動式間仕切りや、吸音パネル付きの可動壁などを使えば、用途に応じた空間切り替えがスムーズに行えます。
このような仕組みを取り入れることで、「狭いけど使いやすい」レイアウトが可能になり、社員の働き方にも柔軟に対応できます。
将来的な席数増加に備えたレイアウト設計
スタートアップ期には数名規模で始まったオフィスも、半年後には5人、1年後には10人というように、急速に人数が増えることがあります。そのような成長に対応するためには、はじめから「増席」を前提にしたレイアウト設計が重要です。
デスク配置は壁際に並べるだけでなく、中央に島型を作って共有スペースを設けると、スペースを有効活用できます。また、フリーアドレス制を取り入れることで、席を固定せずにスペースにゆとりをもたせることも可能です。
将来を見据えて、どこを拡張可能にしておくか、どの家具を可変にするかといった工夫が、リフォームの成否を大きく分けます。
用途を限定しない「多目的エリア」の確保
オフィスに余裕がない場合でも、小さな多目的スペースを確保しておくと、非常に便利に活用できます。ちょっとした休憩、簡単なミーティング、資料作成、あるいは来客時の応対など、汎用性の高い空間があると柔軟に対応できます。
コンパクトなソファセットとローテーブル、またはカウンターとスツールを配置するだけでも、空間の使い勝手は大きく変わります。壁側にホワイトボードを設置することで、ミーティングにも即対応可能な「動く会議室」として活用することもできます。
限られた面積でも、多目的に活用できる設計を意識することで、少人数でも生産性の高いオフィスが実現します。
スタートアップにおすすめの商品3選
限られたオフィススペースでも、快適かつ効率的な環境を実現するために役立つアイテムをご紹介します。間仕切りや集中ブースなど、柔軟に使える製品を厳選しました。
コマニー「移動パーティション DP-80S」

- 高遮音型パネルで、約56.6dBの遮音性能
- ワンタッチ圧接機構で設置・移動がスムーズ
- ガラスタイプやフルパネルなど仕様の選択肢が豊富
会議室代わりに空間を区切ったり、集中スペースを即席で確保したいときにぴったり。遮音性が高く、スタートアップの多用途なワークスペースにも柔軟に対応できます。
オカムラ「ライブス パーティション」

- 吸音性とインテリア性を兼ねたフェルト仕上げ
- パネル同士を簡単に連結でき、自由なレイアウトが可能
- キャスター付きで移動や収納も手軽
柔らかい印象を与える素材で、スタートアップらしいクリエイティブな空間づくりに最適。視線と音を緩やかにコントロールし、快適なゾーニングが実現できます。
日東工業「PrivateBox(プライベートボックス)」

- 高い遮音性を誇る完全個室型ブース
- 照明・換気ファン・USB+ACコンセントを標準装備
- Web会議や集中作業に最適な設計
オープンスペースにおける“自分だけの空間”として重宝される集中ブース。Web会議や静かな作業を必要とするシーンに対応し、社員の生産性向上をサポートします。