
高騰するガス代や電気代の悩みを解消する、省エネ給湯機「エコキュート」。省エネ性能や電気代節約の仕組み、導入時のポイントをわかりやすく解説します。
エコキュートが光熱費削減に貢献する理由

ヒートポンプ式で空気の熱を利用
エコキュートは、周囲の空気から熱を集めてお湯を沸かす「ヒートポンプ式」の給湯機です。電気ヒーターやガスバーナーで直接水を加熱する従来方式とは異なり、空気中の熱エネルギーを効率的に利用するため、消費電力を大幅に抑えられます。
同じ量のお湯を作る場合でも、使用する電力量は電気温水器の約3分の1程度。これにより、給湯にかかる光熱費を長期的に削減できます。
深夜電力を活用して給湯コストを抑える
エコキュートは、電気料金の安い深夜時間帯にまとめてお湯を沸かし、貯湯タンクに蓄えておく仕組みです。昼間の高い電気料金を避けられるため、ランニングコストをさらに抑えられます。
特にオール電化住宅や時間帯別電気料金プランを利用している家庭では、その効果が顕著に表れ、年間で数万円単位の光熱費削減も十分可能です。
ガス給湯器とのランニングコスト比較
ガス給湯器は初期費用が比較的安い一方、燃料費が高くなりやすいという特徴があります。都市ガス・プロパンガスともに価格の変動が大きく、長期的なコスト予測が難しいのが実情です。
一方、エコキュートは初期投資こそ高めですが、ランニングコストはガス給湯器の半分以下に抑えられるケースも多く、耐用年数10〜15年を考えると、トータルでの費用メリットが非常に高い給湯システムといえます。
導入時に知っておきたい設置と選び方のポイント

家族人数に合ったタンク容量の目安
エコキュートを選ぶ際にまず重要なのが、家族構成に合わせた貯湯タンクの容量です。例えば、2〜3人家族なら370L、4〜5人家族なら460L程度が目安とされています。容量が小さすぎるとお湯切れが起きやすくなり、逆に大きすぎると余分な電力を消費してしまいます。
普段の入浴スタイルや追い焚きの有無、シャワーの使用頻度などを加味して容量を決定することが、快適性と省エネ性を両立するカギになります。
設置場所と搬入経路の確認
エコキュートは本体と貯湯タンクが一体となった大型機器のため、設置スペースの確保が必須です。屋外の平坦な場所にコンクリート基礎を設け、安定して据え付けられる環境を整える必要があります。
また、搬入経路も事前にチェックしましょう。狭い通路や段差、門柱・フェンスなどが障害になる場合は、搬入方法を業者と相談しておくと安心です。場合によってはクレーンを使用して搬入するケースもあります。
寒冷地仕様や高圧タイプの選択肢
寒冷地や積雪地域にお住まいの場合は、寒冷地仕様のエコキュートを選ぶことが重要です。配管凍結防止ヒーターや耐雪強化設計など、地域の気候に合わせた仕様であれば冬場でも安心して使えます。
また、マンションや二世帯住宅などで給湯圧力を重視する場合は、高圧タイプのモデルを検討しましょう。高圧給湯なら同時に複数箇所でお湯を使っても圧力が落ちにくく、快適なシャワー環境が維持できます。
設置条件や使用スタイルに合った仕様を選ぶことで、導入後の満足度と省エネ効果を最大化できます。
さらにお得に使うための運用方法

おまかせ運転で最適湯量を自動調整
エコキュートの魅力の一つは、利用状況を学習して最適な湯量を自動で設定してくれる「おまかせ運転」機能です。これを活用すると、必要以上にお湯を沸かすことがなくなり、無駄な電力消費を防げます。
たとえば、来客が多い日や寒波の影響で使用量が増えると予測される場合には、設定を一時的に増やすことも可能。普段は自動制御に任せ、必要時のみ手動調整するのが省エネのコツです。
節約モードや省エネ設定の活用
多くのエコキュートには、省エネ重視の運転モードが搭載されています。湯温を少し低めに設定するだけでも、消費電力量は大きく削減可能です。特に夏場は高温のお湯を大量に作る必要がないため、低温設定での運転が有効です。
また、夜間に沸き上げる際は必要量だけを沸かすように設定し、昼間は再沸き上げを避けることで電気代をさらに抑えられます。家族の生活パターンに合わせた細やかな設定が、節約効果を最大化します。
定期メンテナンスで効率を維持
エコキュートを長く効率的に使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に貯湯タンクの水抜きやフィルター清掃は、半年〜1年に一度は行いましょう。水垢や汚れが溜まると熱交換効率が低下し、電力消費が増える原因となります。
また、屋外ユニット周辺の通気口やファン部分に落ち葉やほこりが溜まらないようこまめに清掃することも重要です。こうした小さな手入れの積み重ねが、長期的な省エネと安定運転につながります。
エコキュートおすすめ商品3選
省エネ性能と信頼性に優れた国内メーカー製のエコキュートを厳選しました。家族構成や設置条件に合わせて選べるラインナップです。
パナソニック「HE-NS37KQS」

- 高効率ヒートポンプ搭載で年間給湯効率(JIS)3.3
- おまかせ運転で最適湯量を自動学習
- 370Lタイプで2〜4人家族に最適
パナソニックの最新省エネモデル。深夜電力活用と学習機能で、無駄のない運転が可能。家庭の使用パターンに合わせて効率よくお湯を供給します。
三菱電機「SRT-W376」

- フルオートW追いだき機能搭載
- 清潔を保つ自動配管洗浄機能
- 370L貯湯タイプで省スペース設置に対応
お風呂の追いだきや配管洗浄まで自動で行う、多機能モデル。衛生面を重視するご家庭や、快適性と利便性を求める方におすすめです。
コロナ「CHP-37AY5」

- 業界トップクラスの年間給湯効率3.4
- 入浴中の追いだきが可能な高圧給湯タイプ
- 耐久性に優れたステンレス配管採用
高効率かつ耐久性の高いモデルで、長期間安定した性能を発揮。高圧給湯仕様のため、複数箇所で同時にお湯を使う家庭にも最適です。