築40年超の木造で、1階の和室側が弱いと診断されたご相談でした。創進建設が現地で壁の配置と接合部を確認し、制震装置の追加や屋根の軽量化ではなく、和室まわりの耐力壁と金物に絞った施工事例をもとに、費用・工期・工事の流れを解説します。
古い和室の天井裏が気になり、地震が来るたび不安になる
茂木町の戸建てにお住まいの家族から、「地震のたびに家が大丈夫か心配」とご相談をいただきました。昭和56年5月以前に建てられた2階建ての木造で、1階に和室が残っています。南側は掃き出しが並び、1階の壁が少ない印象でした。天井は古い木板で、雨染みはありませんでしたが、接合部がどうなっているかは見えない状態です。
ご希望として挙がっていたのは、制震ダンパーを足す方法と、瓦屋根を軽くする方法です。揺れを吸収する装置があれば安心、上の重量を落とせば弱い壁でも足りる、という考えでした。ただ、診断の前に装置や屋根から入ると、弱い方向と関係のない工事になりやすい現場でした。屋根の葺き替えは今回の5日には収まりません。
ご質問の中心は、商品名より先に次の点です。
- 築年数が古いだけで、今すぐ全面補強が必要なのか
- 窓を潰さないと、1階の弱さは直せないのか
- 補助金は、契約してから申請しても間に合うのか
同じお悩みで検索される方も多いため、今回の計画を例に、判断の進め方と費用・工期を整理します。
1階和室まわりの耐力壁と、柱の金物に絞ったご提案
当社からの提案は、耐震診断の結果に沿って、1階の和室まわりに耐力壁を足し、柱頭・柱脚の接合部に金物を入れる方法です。暗い天井板は外して梁を確認し、仕上がりは梁を現した和室にしています。南側の掃き出しは残し、開口を壁に替える工事は入れていません。制震ダンパーと、屋根の軽量化は、今回の5日には入れていません。
診断では上部構造評点が1.0を下回り、弱い方向は1階の和室側に寄っていました。壁の量不足というより、南側に開口が集まり、反対側とのバランスが取れていない状態です。筋かいを足しても端部が止まっていないと力は出にくいため、金物を先に揃えています。
茂木町では、昭和56年5月以前の木造戸建てを対象に、耐震診断の派遣と改修費の補助制度があります。改修は費用の一部補助で上限があり、交付決定の前に契約すると対象外になります。今回は診断と申請の段取りを、工事契約より先に進めています。年度や要件は変わるため、金額の確定は建設課への確認後にしています。
現地調査で、制震装置や屋根の軽量化にしなかった理由
判断の根拠は耐震診断と現地調査です。装置の種類より先に、築年、壁の位置、接合部、基礎のひび、雨漏り、シロアリ、増改築の跡を確認します。
1981年以前の木造は、壁量の考え方が今より少ない年代です。2000年頃に整理された、壁の配置と接合部の金物までは入っていない家が多いです。今回も、見た目の古さより、1階のねじれやすさと接合部の抜けが先に効いていました。
制震は揺れのエネルギーを減らす考え方で、壁の不足を代用するものではありません。屋根の軽量化は上部の負担は減りますが、瓦の撤去と葺き替えが入り、5日では和室の復旧まで届きません。掃き出しを潰すと壁は増えますが、採光が落ち、家族の使い方が変わります。今回は開口を残したまま、和室側の壁と金物で評点1.0を目指す範囲にしています。
今回見送った進め方
制震ダンパーを足す
- 今回の弱点は壁の配置と接合部で、装置だけでは評点の不足は埋まりにくい
- 先に耐力壁と金物を入れた方が、同じ5日の効果が見えやすい
瓦屋根の軽量化と、掃き出しを壁にする
- 屋根工事は工期が伸び、今回の和室補強と同時に収まらない
- 開口を潰すと壁は増えるが、1階の明るさが落ち、暮らしの不満が残る
効かせる位置を外さない施工ポイント
今回の工事で特に大切にしたのは、次の5点です。
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1
評点の低い方向から壁を入れる
弱い側だけ足すと、反対方向とのねじれが残ることがあります。診断のX・Yを見て、1階和室側の不足を先に埋めています。
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2
筋かいより先に、端部の金物を止める
壁を増やしても、柱頭と柱脚が抜けやすいと力は床や基礎へ渡りません。天井を開けて接合を確認してから、金物を入れています。
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3
開口は残し、和室の壁で補う
掃き出しを小さくすると壁量は取りやすいですが、南面の明るさが落ちます。今回は和室まわりで耐力を足し、窓の位置は変えていません。
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4
劣化があれば、補強より先に直す
雨漏りやシロアリ、基礎の大きなひびがあると、金物を付けても下地が持ちません。今回は基礎の欠損が小さく、壁補強を先に進めています。
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5
補助は契約より前に申請する
茂木町の改修補助は、交付決定の前に契約すると対象外になります。診断、補強計画、申請、決定のあと着工、という順にしています。
今回の費用と工期の目安
部分補強は、材料代より、開ける範囲、金物、内装の復旧の比重が大きくなります。最終金額は診断後に確定します。
| 耐力壁・金物 | 35〜60万円前後 |
|---|---|
| 天井・壁の解体と復旧 | 25〜45万円前後 |
| 診断・補強計画 | 町の派遣や別途設計による |
| 屋根軽量化、制震、基礎の大きな補修 | 別途(工期も延びる) |
茂木町の改修補助は、要件を満たせば費用の一部(上限あり)が出ます。率と上限は年度の要綱で変わるため、見積の半額が必ず戻る、とは書いていません。今回は建設課に確認したうえで、交付決定後に契約しています。
今回の工事の流れ
今回は、装置の種類から決めず、診断と接合部、補助の申請時期を確認してから工事へ進みました。工期は5日です。
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ご相談
地震の不安と、和室の古さが重なっていました。制震を足すか、屋根から直すかもこの時点で伺っています。
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現地調査
築年、壁の位置、基礎、雨漏り、増改築の跡を確認しました。診断のあと、制震と屋根軽量化は見送る判断をしています。
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プランとお見積り
1階和室の耐力壁と金物、梁現しの復旧で金額を提示しました。補助は契約前申請が必要なこと、工期が5日であることも説明しています。
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着工準備
交付決定を確認してから契約しました。和室の荷物を下げ、仮の居場所を事前に共有しています。
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施工
天井と壁の一部を開け、金物と耐力壁、建付け、内装復旧の順で、5日かけて進めました。
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お引き渡し
壁の位置、金物、開閉を確認してお引き渡ししました。評点の見方と、今後の点検の目安もご説明しています。
完成後の暮らしと、同じお悩みの方へ
和室の天井が明るくなり、梁が見えるようになったそうです。地震そのものが無くなるわけではありませんが、弱い方向に壁と金物が入ったことで、以前より説明がしやすくなった、との声をいただいています。
「まずは制震装置から」と感じる方もいます。今回は診断で足りない方向を見てから、同じ5日で和室の補強と復旧を揃えています。
木造の耐震補強を検討中の方は、まず築年と壁の配置、接合部、補助の申請時期を確認するのが近道です。創進建設では、診断結果に沿った部分補強と、屋根や制震まで含めた範囲を同じ調査でご提案できます。栃木県内の戸建てでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。